ミモザの呼ぶ声
「ボクねえ、壊れたものにカタルシスを覚える質なんだ。でも、内緒だよ。キミだけに言うよ。だから、親友になって?」

 オレは眼を、耳を疑った。やはり、こいつは人格が崩壊していたんだ……子供の時の、あの姿が本物の奴だったんだ。その、幼い表情。地味に過ぎて、表には現れない、そんな奴の言い分なんざ聞いたって無駄に決まってる。

「オマエがどういう奴かはすでに知っているさ」
< 33 / 88 >

この作品をシェア

pagetop