ミモザの呼ぶ声
 奴の絵にかけた時間と情熱とを踏みにじってやったのだ。気持ちの良い、悪いじゃない! 仕上げに入る前のひととき、奴は空でも見上げてのんきにベンチで過ごしていることだろう。ここまで完璧に築いてきたものを無為にされて……

(あいつは、怒るだろうか、嘆くだろうか……)
< 45 / 88 >

この作品をシェア

pagetop