ミモザの呼ぶ声
 息の根止めてやる。

「だってボクのせいなんでしょ。妹さんがハイジンになったのって」

 トウヘンボクの奴は続ける。

「ボクねえ、あの絵がそこまでの破壊力を持ってたなんてことに、驚嘆しているんだよ」
 奴は優越感に浸るように、遠い目をして得意げだ。

「帰れ!」

 もうオレは我慢できなくなり、反射的に殴りつけつつ、そう怒鳴った。
 限りなく、不快だった。

「オマエの絵がどうだか知らない。いくらまわりが褒めそやそうとも、あの絵は最低だ。下劣極まりない」
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