先生、好きなんです。




「お前、部活とかやんねぇの?」


沈黙を先に破ったのは、結城だった。


「部活かぁ…中学生の時は吹奏楽やってたけど、なんか違う気がして…あ、そこの信号左です」


「おー。…へぇ、まぁ、人それぞれだしな」


「…だから、放課後とか暇なんで全然気にしなくて大丈夫です」

今日は、ちょっとびっくりしたけどね。いきなりだったし。

でも、意外に嫌な人ではなさそうだ。…第一印象が悪すぎた故に、今はすごく良い人に見える。

というか、話してて飽きない。
おもしろいし…楽しい。


「ほー。まじか」


「……はい」




…………。


またやって来る沈黙。

ほのかは、ちらりと結城のことを見た。

良く見ると、すごく整った顔立ちをしている。鼻は高くて目は切れ長で。…すごくモテそう。


「……なんか俺の顔に付いてっか?」


「へ!?あ、すいません!」


そんな気付かれるまで見てたなんて思わなかった。


「いや、大丈夫。ただ、なんか見られすぎて穴空きそうだった」


笑みを浮かべながらそう言う結城に、ほのかはドキッとした。

なんてったって、結城のような綺麗な笑みを見たことないのだから。

やはり、顔がカッコイイとこんなにも違いがあるらしい。


うん、いい発見をしたよ。





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