愛しすぎて

「次どこする?」

「うーん。化学室は?」

「よし。じゃあ行こう」


幸宏はゴミを捨て、ホウキとチリ取りを用具入れに返すと私の手を取った。


「段差があるから」


そう言った幸宏の手を私は躊躇いながらも握り返した。



私と幸宏の関係を他人から見ればきっと恋人同士に見えるんだろうな。


だけど、私と幸宏の間には多分………恋や愛はない。
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