僕→君→咲クラ
突然現実世界に引き戻された。


枕元に置いてある目覚ましは鳴っておらず、代わりに携帯が震えており、凛からの着信を知らせていた。


「あ、寝てた?悪い悪い」


「悪いと思うなら時間をずらせ」


比較的低血圧な輝好は低い声で悪態をついた。


6時に起きる予定が30分も早く起きてしまった。


それも自然起床ではなく他人の手により。


「で?何か用か?」


これで何もなければ一発殴ってやる、と輝好は心に誓う。


「今日さ、何時頃に家出る?」


「7時」


「じゃぁさ、家出てすぐ左に曲がったらバス停あるじゃん?そこで待ってろよ!一緒に行こうぜ」


「あぁ。だがお前が来る前にバスが来たら先に行くぞ」


完全に頭が醒めてしまった輝好はそれだけ告げると電話を切った。


クローゼットにかけられている制服を出し、着替え始めた。




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