僕→君→咲クラ
朝から深く考え込むのはよすとして、バスがやってきたので三人は乗り込んだ。
中は通勤の人で混雑していたので三人は横並びに吊り革を持った。
「なぁ、知ってる?」
真ん中にいた凛が、左右に揺れるバスの中でバランスをとりながら二人に話しかけた。
「何が?」
秋覇が横目で凛を捉える一方、輝好は耳だけ傾けた。
「昨日、バイト先で聞いたんだけどさ、花水(かすい)市の山奥にある大きな桜の木が異状なんだって」
「異状?」
「何でも、今年の冬から咲き始めたらしいぜ」
冬に咲くサクラ・・・?
桜が冬に咲くはずがない。
ガセネタだろうとその時は割り切っていたが、後々輝好の人生を覆す原点になろうとは・・・誰も知る由も無かった。
中は通勤の人で混雑していたので三人は横並びに吊り革を持った。
「なぁ、知ってる?」
真ん中にいた凛が、左右に揺れるバスの中でバランスをとりながら二人に話しかけた。
「何が?」
秋覇が横目で凛を捉える一方、輝好は耳だけ傾けた。
「昨日、バイト先で聞いたんだけどさ、花水(かすい)市の山奥にある大きな桜の木が異状なんだって」
「異状?」
「何でも、今年の冬から咲き始めたらしいぜ」
冬に咲くサクラ・・・?
桜が冬に咲くはずがない。
ガセネタだろうとその時は割り切っていたが、後々輝好の人生を覆す原点になろうとは・・・誰も知る由も無かった。