僕→君→咲クラ
~2章~名もなき少女
後日、輝好は仮病を使い、午前中で早退し、再びあの場所へ出向いた。
二回目ということもあり、今回は目的地に着くまでさほど時間は要さなかった。
桜は相変わらず輝いている。
「こんにちは」
木の後ろから、先日輝好が目にした少女が現れた。
白い肌によく映える艶のいいロングヘアー。
秋物の服を着て、輝好に微笑んでいる。
だが、輝好は違和感を感じた。
少女に近づくと、その違和感がやがて確信へと変わっていく。
透視能力があるわけじゃない。
なのに少女を通じて向こう側の岩壁が見える。
・・・・透けている
「あ、私が何なのか気付いちゃった?」
「幽霊・・・?」
「多分ね・・・」
少女は悲しそうな表情(カオ)をした。
「多分?」
確定的でない答えに輝好は眉をひそめた。
「私、こうなる前の記憶が全然ないの」
少女の話によると、ふと目が覚めたときにここにいたというのだ。
二回目ということもあり、今回は目的地に着くまでさほど時間は要さなかった。
桜は相変わらず輝いている。
「こんにちは」
木の後ろから、先日輝好が目にした少女が現れた。
白い肌によく映える艶のいいロングヘアー。
秋物の服を着て、輝好に微笑んでいる。
だが、輝好は違和感を感じた。
少女に近づくと、その違和感がやがて確信へと変わっていく。
透視能力があるわけじゃない。
なのに少女を通じて向こう側の岩壁が見える。
・・・・透けている
「あ、私が何なのか気付いちゃった?」
「幽霊・・・?」
「多分ね・・・」
少女は悲しそうな表情(カオ)をした。
「多分?」
確定的でない答えに輝好は眉をひそめた。
「私、こうなる前の記憶が全然ないの」
少女の話によると、ふと目が覚めたときにここにいたというのだ。