ガラクタ姫
なんで高校生は塀をのぼっちゃダメなんだろう。
中学生はいいの?
歳を重ねるごとにしてはいけないことが増えていった。
暗黙の了解、人の目が厳しくなる。
小さい頃、呆れて可愛らしいことも、大きくなるとおかしく思われる。
あたしがその塀をのぼり始めたのは小学3年生のころ。
その頃は今よりうんと背が小さく、小学校に近くあった公園の囲いとなっている塀が小学生のあたしに襲いかかるような試練に感じた。
「この上にのぼり、公園の入り口からぐるりと一周。」
塀にのぼり、違う風景を見られる好奇心。
そして、この公園を支配できる達成感と優越感。