【短】ワガママ男とわがまま女
わがまま女
バンッ。バシッ。ドンッ。
「荒れてるねぇ...サヤ。」
体育の授業、バレーのサーブの練習中。
明らかに不機嫌マックスで、バレー部顔負けのどぎついサーブを打ちまくるわたしに、チームのみんなはドン引き。
ガキくさいって思われてるかもしれないけど、何かに当たらないと気が収まらない!
「サヤ、落ち着きな...」
「これが落ち着いていられる!?」
わたしを宥めようと必死のチームのみんな。
「てか、こんなにサヤが荒れるなんて初めてじゃない?」
「うん。 基本サヤって本気で怒んないもんね。」
うん。でもさすがのわたしも、あのボケ樹には堪えられないんだもん。
そりゃ、わたしも悪いところがあるのはわかってるよ。
け・れ・ど!
あれはないでしょ!さすがに!
「あー!ムカツクっ!」
わたしが思い切り打った(てか、叩いた)バレーボールは、ドデカイ音を鳴らして床を跳ね。
「イッタァ!」
まるで仕返しをするかのように、わたしの顔面にベシっと激突した。