【短】ワガママ男とわがまま女
「ぶっ。あはははははは!」
「ボールが怒ってるよ! サヤっ。」
床に膝をついて痛がるわたしを見て、チームのみんなは腹を抱えて大爆笑。
ミナコなんか、爆笑しすぎてひぃひぃ言ってる。
ちょっと。労る気はナシですか。
「ぶっ...顔赤いよ?...くくっ。」
「笑いすぎだから。」
「保健室行ってくれば? ボールが怒って顔面に激突したんですー!ってさ...ぶっ。はははっ、サヤってばオモシロすぎだから!」
全っ然、笑えない...。
ボールに仕返し(?)をされて、当たり散らす気も萎えたわたしは、チームのみんなの言うとおりに保健室へ行くことにした。
別に、顔が異常に熱を持ってて、体育なんかする気にもなれないからだけどね。
わたしが体育館を出たあとでも笑う声が聞こえたから、まだ爆笑はおさまっていないようだった。