【短】ワガママ男とわがまま女
「サヤ...、なんて顔してんの?」
呆然としながら席に座ってるわたしに声をかけたのは、わたしの良き理解者で唯一気を許せる友達の望月 美登里(もちづき みどり)。
「ミドリ、わたし...どうすればいい?」
「何があったの? 話してみな?」
そう言って、読書中のわたしの前の席の鈴木くんを無理矢理どかして、席に座るミドリ。
「えっ、ちょ...ボクの席...」
「席くらいでうっさいわね! ほんの少しの間なんだから、我慢すればどう?」
美人だけど、気が強くて、少し毒舌なミドリ。
そんな彼女に圧倒されて、鈴木くんはタジタジ。
鈴木くん、申し訳ない......。