【短】ワガママ男とわがまま女
「はぁあ? なに、それ。」
「ホントに、小さいことなんだけどね。」
「そういう小さいことから、だんだん大きくなってくるんだよ? キッパリ言ってやんなよっ。......あー、だから坂上はやめとけって言ったのに。」
ぶすっとふてくされた顔をして、机に肘をつきながらため息混じりに言う。
「あー、ムカツクっ。ちょっとモテるからって、調子のんなっつーのよ。」
「ちょっと、ミドリ。すぐ近くにいるんだからね?」
二人して教室の真ん中のグループに目を向けると、大勢の男子と楽しそうに笑い合ってる樹が目に入る。
たくさんの男子の中でも、やっぱり樹は秀でた存在で。
「あんなのやめて、爽司みたいなヤツにしたら?」