はちみつ


いつもとは明らかに違うその雰囲気に、雨の音が鮮明に耳に入ってきたのを覚えてる。

私はななみちゃんの顔を見て、

「どうしたの?」

と話しかけた。
あの時の上野君のように、大人っぽい優しい口調で。

ななみちゃんはこちらを気まずそうに見ながら口を開いた。



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