はちみつ

* 彼女



雨がふる10月。
お昼なのに暗くて、
気分はめいっていた。

私は上野君のクラスである木村ななみちゃんに、上野君のことについて相談したり、聞いてみたり幾度となく話していた。

ななみちゃんはいわゆる人気者タイプ。
可愛くて優しくていつでもみんなの輪の中心にいた。
男子にも女子にも好かれる女の子だった。

私はななみちゃんを信じていたし、明るいななみちゃんが大好きだった。

でも10月の暗い雨のふるその日、ななみちゃんが教室から私を呼び出した。


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