確信のない約束。【上】
闇の記憶
やがて吐息が白く染まる冬が巡ってきた。
「ねぇねぇ知ってる?昨日有稀ちゃんが真司に告ったんだって!」
有稀ちゃん、告ったんだ・・・
教えてくれたのは、生徒会仲間の茜。
クラスは違うけど、生徒会をきっかけに仲良くなった。
もちろん、茜もあたしの好きな人を知っている。
「マジ~?返事は?」
「なんか~、はっきりと無理って言われたんだって!」
「あらら・・・」
こういうときって、ライバル意識はなくても返す言葉がない。
「それでね~、有稀、凛が告ったの知ってるっぽい・・・」
「ウッソ~!?」