確信のない約束。【上】


あたしが真司と話していると、
「まだ真司のこと諦めてないのかよ。ウチ、そういう人マジで無理だわー」
と廊下で叫ぶ。


有稀ちゃんは遥の耳元で言ってるつもりだろうけど、こっちまで余裕で聞こえる。



日に日に有稀ちゃんの行動はエスカレートしていった。
ハサミやカッターの刃で教科書とノートを切られた。
ロッカーの中を荒らされた。
机に「死ね」という2文字が書かれていた。



もう嫌・・・
なんであたしが・・・
あたしに生きている価値なんてあるの?



次第にそんなことを考えるようになった。



学校で涙を見せると、もっと笑われるかもしれないから、泣かなかった。
強がって、誰にも相談しなかった。
唯にさえ、強がった態度を見せた。






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