確信のない約束。【上】
部屋では毎日、泣いていた。
こんな事くらいで泣いてはいけないと思うけど、ほんとに辛かった。
こんなあたしは、真司を好きではいけないと思った。
だから、真司を何回も諦めようとした。
・・・でも、できなかった。
———早く、楽になりたい・・・
今日も陰で何度も言われた。
———死にたい・・・
あたしよりももっと辛い思いをしてる人はいるけど、あたし、もう無理だよ・・・
部屋にあったハサミの刃を左手首にあてる。
死ぬ覚悟で。
「・・・っ・・・」
でもどんなに頑張っても血は流れなかった。
痛みさえ感じなかった。
ハサミでは当然死ねなかった。