<完> 冬桜よ、散りゆけ  –諦めるべき恋なの?–
 どこかでボールが止まった。

 誰かが止めてくれたのか。

 見学している一年生の子なのか。

 やっとボールの近くに来た。

 ボールを持っていたのは、海翔。

 海翔の姿を見るなり、桜は固まる。


――どうしてここに?――

 海翔がボールを持っている。

 海翔からボールもらうの?

 ほかの子だったら、普通に、

『ありがとう。』

 って言えるけど・・・。

 思い出すのは、つらいことばかり。


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