<完> 冬桜よ、散りゆけ  –諦めるべき恋なの?–
 海翔が桜の目の前に止まり、

「お久しぶりです。」

 いじめる前だったら、普通にため口で言っていたのに急に敬語。

 さすがに桜もびっくりした。

 しかし、桜の心は凍りつく。

 思考が一時的に停止する。


 
「誰なの?」

 暖姫の声で我に返ったのはいいのだが・・・。

 男の子にこんなに馴れ馴れしくされては、プライドの問題がある。

「行こう。」

 海翔を置いて、図書室へ向かうように催促する。

 二人は何が何やらわからない。

 けど、桜の声に従う。



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