<完> 冬桜よ、散りゆけ  –諦めるべき恋なの?–
 その帰り、

『桜もいじめようぜ。』

 声色から不気味に笑っているような気がした。

 海翔はうんとうなずいてしまった。

 美紫依に逆らえなくて・・・。


 次の日から、美紫依の指示に従って、あれこれ冬谷姉妹をいじめた。

 美紫依はこういう悪いことだけは、頭がいい。

 まあ、美雪を怪我させたこと以外は大成功。

 そして、美紫依の心は腐りきっていた。

 美雪の怪我で呼び出されても、嘘をついていた。

 海翔も嘘つけと言われた。

 だけど、このときは二人の負け。


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