<完> 冬桜よ、散りゆけ  –諦めるべき恋なの?–
「檀のランドセル、どっかへ行っちゃった。」

「えっ?」

 桜は、何を言っているのか分かってない。

 檀は、そんな姉の態度に腹が立ってきた。

「そこに置いたでしょう。」
「そこって・・・?」

「もう!ベンチだって!」

 桜本人は自覚してないが、檀にはとぼけていると感じている。

「確かに、ない。
 公園中探してもないの?」

「無いから言っているじゃないの!」

 檀のさし迫った声に、さすがに桜は現実っとして受け入れるしかない。

「分かった、探すよ。」

 拾い上げた雪の塊を捨て、檀のランドセルを探し始める。

 小さな雪の塊は、三つ・四つに割れていた。

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