<完> 冬桜よ、散りゆけ  –諦めるべき恋なの?–
 希欧はそこを見逃さない。

「放せって言っても放さない。
 絶対おかしいね。」

 なんかいやらしい言い方。

 ますます桜の怒りが・・・。


「春増の勝手よ。」

「ふうーん、春増くん、桜のことが好きなんだね。」

「はあ?
 あんな子、桜みたいの子好きになるか!」

 はあ、はあ、はあ。

 坂道を登りながら大声言ったから、息切れがする。

 希欧もちょっとつらそう。

 おまけにまだ坂道の中腹。

 さすがに、一時休戦。


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