<完> 冬桜よ、散りゆけ  –諦めるべき恋なの?–
 すでに班の子は探していた。

 
――姉なのに、結構鈍感だな。――

 自分で自分を呆れかえる。

 だけど、出る時間まであと五分。見つからないと大変なことになる。

 そう思うと、身震いしてきた。

 これが、桜自身だったら・・・

 さっきより必死になって探し出す。


「桜ちゃん、どうしよう。」
「麗羅ちゃん、探さないと。」

 班の子の顔がだんだん厳しくなる。

「みんなどうしたの?」

 遅れてきた、四年生の仲木 友篤(ナカギ トモアツ)にも、皆の焦りが伝わってきた。


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