<完> 冬桜よ、散りゆけ  –諦めるべき恋なの?–
 均衡を破ったのは桜。

「希欧、春増のこと、桜気にしないで言っちゃえば。」

 もちろん、本人は悪義があっていったわけではない。

 しかし、偉そうに感じる。

 希欧の堪忍の緒が・・・

 やばい、やばい、やばい。

 暖姫は気付いて、声をかけようとしたが――



「もう、桜大っ嫌い!」

 希欧の怒りは言葉で治まらない。

 全力ダッシュで、桜、暖姫の前から去る。

 走って、走って・・・。

 その顔は、怒りに満ちてて、まるで獅子舞のお面みたい。

 すぐに、消えた。


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