<完> 冬桜よ、散りゆけ  –諦めるべき恋なの?–
 すると、希欧はピクリと眉が動いた。

 桜と暖姫のほうに向く。

「ごめん、いま大事な話をしているんだ。
 あとでいいかな?」

 優しそうな声。

 だけど、なんか顔が怖い。

「分かった。」

 仕方なく、またパス練習再開。


 きっと希欧が声をかけてくれる。

 そう信じてやっていた。

 しかし、朝練開始まで何も起こらなかった。

 それだけではない。
 終わったあとも何も起こらなかった。

 忘れたのか、それとも・・・。

 前者のほうが、桜にとってはまだありがたい。


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