<完> 冬桜よ、散りゆけ  –諦めるべき恋なの?–
「希欧。お願い、聞いてほしいことがあるんだ。」

 はとりと一緒の希欧。

 希欧は嫌な顔をしている。
 もちろん、桜はわかっている。

 だけど、言わなければ、言わなければ・・・。

 希欧たちが去ろうとした。


「希欧、昨日はごめんね。」

 この声で希欧は振り返る。

 海翔の耳にも、キンっと高い声が聞こえた。

「あんな、偉いこと言ってごめんね。」

 桜は本気で言っている。

 本気で謝っている。

 しかし、希欧の顔は変わらない。

 むしろ、怖くなったような・・・。

 怖くなっても、桜の気持ちに揺るぎはない。



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