<完> 冬桜よ、散りゆけ  –諦めるべき恋なの?–
「本当、嘘つき。

 だって、桜気が付いたら春増くんのことぼけっとみているし。
 春増くんは桜に声かけるし。

 絶対両思いだよ。」

 おいおい、両思いってでっかい声で言っちゃあだめでしょう。

「違う、違う、春増は気のままに声をかけるだけ。
 本当は、声かけられて欲しくないの。」

 桜もついつい声が大きくなる。

 そのせいかどうかはわからないが、顔が赤くなっている。


「なに恥ずかしがっているの。」

 いやらしい声。

「ちょっと、いい加減にして。」

 暖姫の声は、希欧の耳に届かない。

「桜、春増のこと嫌いだから。」

 海翔の耳に微妙に届いたかもしれない。
 届いてたらやばい。



 
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