<完> 冬桜よ、散りゆけ  –諦めるべき恋なの?–
「春増は、小六の時桜をいじめてたんだよ。

 そんな憎いやつを好きになれるか。」

 二人は黙り込む。

 単に桜の口調が強いからなのか。

 はっ、っと桜は口を抑える。

 あの過去を言ってしまった。

 あのつらい思い出、封印したはずなのに・・・。


「ふうん、運命じゃん。」

 かっちん、桜の頭が誰かにたたかれた。


――希欧って、なんて思いやりがないの?――

 強くかみしめる。

 ああ、もう怒った。

 怒った、怒った。

 こんなやつ、許せない。




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