<完> 冬桜よ、散りゆけ  –諦めるべき恋なの?–
 希欧のいじめはそれだけではない。

 桜がレシーブしようとしたら、希欧が前にいるのにわざわざ後ろに下がって横取り。

 あとね、二人にわざとパスを回さなかったり。

 いずれも先生がいない時にやっている。

 ひどい時なんて、一試合して一回も、二人にボールが回らなかった時があった。

 そんな状態が一か月くらいは続いた。


 ある日、部活が終わった時のこと。

 今日も、ボールが希欧とはとりからは一切回らず悔しい思い。
 まあ、二年生や他の三年生からは回るときもあるが。

 最後の大会まで一か月あるかないか。

 この調子だと、桜と暖姫は後悔残して引退することになる。

 そんなの嫌だ。
 嫌だ。

 最後はパシーンっとアッタク決めたい。

 でも、このままじゃあ・・・。

 桜の頭の中は、絶望感が漂う。



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