<完> 冬桜よ、散りゆけ  –諦めるべき恋なの?–
「桜って素直じゃないね。だから嫌われるんだよ。」

 ふふふふふふ。

 気持ち悪い笑い声が巻き起こる。

 希欧に、はとり、それにほかの三年生二人。

 聞く側にとっては、これは侮辱しているとしか取れない。

 桜に、また一つ憎しみが生まれる。


 桜はその場から立ち去る。

 暖姫のもとに行く。

 希欧とはとりは互いにウィンクしている。

 作戦成功って感じ。

 笑顔があふれている。


 こんな感じで海翔のことを言われるのは、この時だけではない。

 少なくとも、三回ぐらい言われた。

 そのたびに侮辱されて・・・。

 もう、精神的な限界が近づいてきてる。

 だけど、引退までもう少し。
 今辞めるのも中途半端だから、がんばっている。

 


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