<完> 冬桜よ、散りゆけ  –諦めるべき恋なの?–
「ねぇ、桜。」

 こう呼ぶのは、今目の前にいる暖姫以外にいるか?
 っとなると、希欧か?

 後ろを振り返れば、希欧ではないか。

 嫌な予感がする。何か言われそうで。

「何?」

 怖いのを抑えているが、ふとした弾みで表に出そう。


「桜、ちょっと来てくれない。」

 来てって、何をするつもりか。

 またいじめるつもりか。


「暖姫は?」
「とりあえず桜一人でお願い。」

 さらに嫌な予感。

 今まで、桜と暖姫がだいたい二人で一緒に攻撃されていたからな。

 桜一人を徹底的に攻撃しようなんて、そんな意図も取れる。

 どこか誰もいない場所で、心なき言葉を浴びせて・・・。

 想像するだけでも恐ろしい。


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