<完> 冬桜よ、散りゆけ  –諦めるべき恋なの?–
「いつものあれじゃないの。
 お願い、一緒に来て。」

 えっ?
 どういうこと?

 希欧は必死にお願いしているように見えるが・・・。
 信じきれない。

「桜、希欧を信じよう。」

 暖姫がいうなら、信じようか・・・。


「分かった。」

 希欧はほっとしたような顔をしている。

 そのまま、桜は希欧の後を追う。

 暖姫だって桜のことが心配。

 だから、希欧に見つからないようにこっそり後をつける。


 それでたどり着いたのは、校舎の外。

 上履きのまま出ている。

 み~んみ~んみ~ん~♪

 もうセミが鳴いている。

 もうじき梅雨が明けることを予言しているのか。


 

 
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