<完> 冬桜よ、散りゆけ  –諦めるべき恋なの?–
 下はアスファルト。

 今日は晴れだからね。

 それでも、日があまり当たらないところなのか、特有の熱をそこまで感じない。

 近くにはごみ置き場。

 なんか変なところに桜と希欧は立っている。


「桜、いままでごめん。」

 暑さと、じめじめと、驚きで頭真っ白。

 まさかね、いじめている側から謝るとはね。

 しかし、それが真意かどうかはわからない。

 希欧本人に聞かないと、たぶんわからない。


「桜、許してないよね。
 だけど、希欧は、希欧は、今までやったことは間違いで、許してほしいという気持ちがある。」

 希欧の目にはうっすら涙が。

 嘘泣きだって考えられる。

 本当に、本当に、本当にそう思っているの?

 桜は混乱する。

 もう分かんない、何がなんなのか。
 周りの景色も、自分も、希欧の顔姿も。
 全部吹っ飛ぶ。



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