<完> 冬桜よ、散りゆけ  –諦めるべき恋なの?–
 桜の手が流羽奈の脇腹に届く。

 そしてぎゅうっと握りしめて、木から離した。

「姉ちゃん、姉ちゃん。」

 じたばたしている流羽奈を無視しておろす。

「駄目だよ、落ちたらどう・・・おおぉっとと。」

 ボンと音を立て、桜はよろめきそうになる。


 なんとか体勢を立て直して、流羽奈を無事地面に着地させる。

 流羽奈は、顔をむぅっとして、桜を睨みつける。

 みんなは胸をなでおろしている。

 でも、桜はあることに気が付く。

「さっき、ボンって音鳴ったでしょう。

 この音って・・・。」

 っと言って根元を見ると、

「やっぱり!!」


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