<完> 冬桜よ、散りゆけ  –諦めるべき恋なの?–
 ちらり。

 海翔と目が合った。
 桜は慌てて目をそらす。

 さっきから何回も同じことしている。

 恥ずかしすぎる。

 男の子と二人っきり。桜にとっては、考えるだけでもダメ。

 おまけに、憎い海翔。
 あのいじめがなくても、恥ずかしいと思うけど・・・。

 そういえば、互いに小学校の低学年ぐらいの時は、道端で会えば一緒に帰ってた。

 そうこうするのって何年ぶりだろうか。

 まあ、今は状況はかなり違うけどね。

 昔は何も意識せず、普通に会話してた・・・。

 

 いつの間にか桜の家が見えている。

 桜は嬉しくなる。

 待ってました、我が家。

 思わず走りたくなる。

 って海翔はまだいる。




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