<完> 冬桜よ、散りゆけ  –諦めるべき恋なの?–
 数日たって、桜は気付いた。

 
“海翔のことが好き”


 あまりにも突然すぎた、突然すぎた。

 今から思えば、海翔が何か言おうとしたのも、

『桜と呼びたい。』

 っと言ったのも、海翔は桜のことが好きだからかもしれない。

 これを思ったらどひゃーっと一気にテンションが上がる。


 しかし、海翔は憎いやつ。

 もし、本当に桜のことが好きなら、あのいじめはしないはず。

 そう、憎いやつ。

 美紫依もそうだが・・・。

 海翔は許せない、なのに好きになったの?

 こう思うとテンションが下がる。


 もう、頭の中ごちゃごちゃ。

 現実に戻れそうもないくらい。

 好き、嫌い、好き、嫌い、好き、嫌い・・・。


 
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