<完> 冬桜よ、散りゆけ  –諦めるべき恋なの?–
 その相手が海翔。

 あれだけ、桜を傷つけた海翔。

 まあ、背は桜と同じ。
 一年経てば抜かされるだろう。

 現実と理想のギャップは激しい。


――はあ、なんだろうね。――

 まだ先生は来ない。

 頬杖をつきながら、また海翔を思ってしまった。

 いい加減、海翔を忘れたいのに。忘れられない。

 恋のせいなのか。

 否か。


 これは本当に恋。

 そう認める。

 しかし、絶対海翔に悟られたくない。

 どうしてそう思うのだろう。


――あいつが桜の気持ち知ったら、笑うだろうな。――


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