<完> 冬桜よ、散りゆけ  –諦めるべき恋なの?–
 さっき、海翔と似たような性格の子に会った。

『まさか・・・。』

 もちろん、桜は言いたいことは分かっている。

『春巻(海翔)の彼女か?』

 あーあ、言われたらまずいことになっていたな。
 桜はいまさらヒヤリ。


 もし、桜のほうから言ったら・・・
 返事どうのこうのよりも怖いものが一つ。

 周りの反応。

 男女・学年関係なく、格好の噂の的となるだろう。たとえ一時的であっても。

 あの時を思い出すようなことは嫌だ。

 だけど、この気持ちは抑えられない。

 抑えきれなさそうだから、言いたい。

 でも言えない。

 あぁ、矛盾している気持が頭の中に存在しているのか。


 
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