<完> 冬桜よ、散りゆけ  –諦めるべき恋なの?–
 学校に着いた。

 校庭の桜の蕾は膨らんで、黄緑色になっている。

 新しい生活を期待しているかのように。

 だけど、この恋の冬桜はもう散らなきゃ季節は終わる。
 心の季節がいつまでも冬でない限り。


 希欧と一旦別れて、桜と暖姫と共に教室に入る。

「おはよー。」

 仲のいい子にこうやって挨拶するのも、今日で最後。

 っていうことは、海翔に声かけられる心配はほとんどない。
 前者は悲しいけど、後者はまあ嬉しい。

 声かけられないのはいいのだが、この気持ちに決着はついていない。

 あぁ、どうしようか。

『言っちゃえ、告っちゃえ!』

『いや、恋は密やか思い続けるもの。
 告白なんて百年早い。
 それに事後処理大変だよ。』



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