<完> 冬桜よ、散りゆけ  –諦めるべき恋なの?–
 ぱちぱちぱち~♪

 拍手が体育館から離れても聞こえる。

 もう、卒業生入場なんだ。

 どんどん前へ進んでいく。

 あっという間に桜と暖姫のクラスの入場。


 体育館に数歩入ってはっ!

 海翔と目があった。

 慌てて目をそらす。

 一気に緊張がほぐれた。
 それは、いい意味ではなく、悪い意味で。

 今までの海翔との思い出がよみがえってきた。

 あのいじめ。
 早く、小学校を卒業したいと願った。

 中学に行けば、もう会わないだろう。

 しかし、中学でまた会ってしまった。

 あの時の落胆は、今でも生々しくよみがえるほど。



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