<完> 冬桜よ、散りゆけ  –諦めるべき恋なの?–
 これは、ちょっと桜にとっては答えづらい。

 なんというか、うまくまとまらない。

 色々、気持ちがごちゃごちゃで、しかも急に言われた。

 それに、もしうまく言えたとしても、“好き”って言ってしまう。

 それだけは、桜は避けたい。

 もし言ったら、海翔はどう反応するの?

 中学に入って桜の恐れてた、海翔によるいじめ。
 それはなかったが、未だに海翔を信じられない。

 もし言ったら、海翔はどうする?

 いじめなんて、ないよね――


「時間、大丈夫ですか。」

 はっと我に返り、腕時計を見る。

 あっ、そろそろいかないとまずい・・・。

「そうね、やばいから行くわ。」

 海翔に背を向けようとしたら・・・。


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