<完> 冬桜よ、散りゆけ  –諦めるべき恋なの?–
 ほんの少しの沈黙が流れる。

 ほんの少しでも、長く感じる。

 変な予感が増々する。

「とにかく行こう。」

 桜がこう言うのに、結構時間がかかった。

 最初からこういえばよかったのに、っとついつい思ってしまうが。


 そんなのは今は考えずに、ぱっと並んで、早歩きで進む。

 何よりも追いつくことが先決だ。

 このままでは、班長のプライドが傷つく。

 かといって班長が走るのは禁止。

 怪我するからっと説明されているが・・・


――もう一体どういうこと?――

 桜は、どすどす怪獣みたいな歩き方をしている。

 でも、足でストレスを発散しようと思っても、それでは足りないぐらい。
 桜の怒りは頂点を超えていた。


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