<完> 冬桜よ、散りゆけ  –諦めるべき恋なの?–
「ごめん、遅くなっちゃって。」

 桜は何事もなかったかのように班の子に言い、美紫依と交代した。

 美紫依はチェッという顔をした。

 桜は気付いていない。

 海翔は、嫌な顔をして前に入る檀、恭平、友篤を見つめる。

 三人は、とにかく入るのが精いっぱいで、気づいてない。

 班の中に、嫌な空気が流れたかのように思える。


 あれから、遅刻せずに学校に着いた。

 桜の心はどこかすっきりしない。

 授業中、ずっと今日の朝のついて考えた。

 
――なぜなのか?――

 考えても、時は遅く過ぎていくものだった。


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