<完> 冬桜よ、散りゆけ  –諦めるべき恋なの?–
「姉ちゃん、ほんと嫌になる。」
「ねぇ。」

 檀は、昨日また先に行かれたことに、怒りがまだ収まりきってない。

 だから、いつもより無理矢理五分早く出た。

 桜もどこか落ち着かない顔。

 檀の言っていることに共感はできるが。
 だが、それは単なるストレスのはけ口にしかなってない。

 ふと、いつもの公園に目をやる。

 海翔と目があってしまった。

 桜は何か、嫌な予感を覚えてしまった。


「おい、隠れろ!」

 その場にいた班員、全員が一目散に走りだした。

 そして、どこかに隠れた。もちろん、海翔も。

 桜は海翔の声が聞こえていた。

 
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