<完> 冬桜よ、散りゆけ  –諦めるべき恋なの?–
 ふぅっとため息をつき、桜は公園全体を睨みつける。

「姉ちゃん、探さないと。」

 檀はせかしてばかり。

 
――どうせ、桜の反応を見たいだけでしょう?――

 桜は、檀は子どもっぽいことを言っていると思えてきた。

 ふと目をやると、恭平と友篤が。

 入り口の近くの砂場の網の下に潜り込んでいた。

「きょうた(恭平)、とも。変なところに隠れないでよ!」

 恭平たちはすっと出てきた。

 付いた砂をぱんぱんっとはらった。

 檀はやれやれだけど、桜はふふふっと笑った。

「あっ、麗羅ぁ!」

 檀は高さ二メートルほどの木の裏に、微妙に隠れている麗羅のもとに飛び込む。


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