<完> 冬桜よ、散りゆけ –諦めるべき恋なの?–
――偽の友情だったんだな。――
そう思うと、桜ははあっとため息が出る。
そういえば、桜は最近こんな姿が見られるようになった。
あの日以来、桜に味方しなかった班の子とは口をきいていない。
今日も、檀としか口をきいてない。
中学に入ったら、きっと桜がほころぶように気持ちが明るくなる。
桜は未来を期待している。
部活何にしようか、どんな子と友達になれるのか。
そうこうしているうちに、時間。
桜が先頭に立ち、あとに続く。
ぞろぞろ出ていたら、麗羅が公園の入り口の門柱に足をぶつけた。
後ろにいた檀がおっとっととよろめく。
桜は、それを知らない。