<完> 冬桜よ、散りゆけ  –諦めるべき恋なの?–
「どうしたの?」

「えっ?」

「涙が・・・。」

 檀は目のあたりを触るが、涙らしきものはない。

「別に、何にもないけど。」
「気のせいか。
 最近暗いのも。」

 桜は何気なく言っているけど、檀の心に引っ掛かる。


「檀暗い?」
「うん、何となく感じる。」

 檀の怒っているような口調。
 やっぱり何かあったんだなっと、桜は感じる。

「あっそ。」

 ぷいっと檀は自分の机に向かう。


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