<完> 冬桜よ、散りゆけ  –諦めるべき恋なの?–
 今は違う。

 今はあいつらの様子を見に来ている。

 その前に、こんな浮くような格好はやめよう。

 制服に着替えよう。

 公衆トイレに誰もいないことを確認して、ぱぱぱぱぱっと着替える。


 なんで制服に着替えるかって?

 前から言っているが、桜は背が高い。
 そのせいで、いつも年上に見られている。

 ここら辺の人は、桜の中学の制服を知らない人もいるっと思っている。

 ようは、高校生が歩いているっと思わせるのだ。

 中学のジャージで歩いていたら、嫌な目線を向けられる。

 第一、小学校への道と中学への道はかぶらない。

 ちょっと、桜、念を入れすぎっと思ったが。


 
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