<完> 冬桜よ、散りゆけ  –諦めるべき恋なの?–
 う~~ん、どうしたらばれないか。

 考えてたら、誰かが来る。

 悩んでいる暇はない。

 こうなったら、ありのままの姿で見るしかない。

 目があいそうになったら、さっと逃げる。

 こうするしかない。


 あっ、ひとり来た。


――あの子は誰だ。――

 ピンクのランドセルに黄色のカバーが付いているっということは、四月に入った子か。

 背も小さいし。

 ルンルンと元気良くは寝ていて、長い髪が揺れる。

 今年の一年生は一人女の子が入ったと、桜は聞いている。




 
< 83 / 257 >

この作品をシェア

pagetop